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怒りのほこ先は？

私の夫の怒り方は物凄い力がある。震え上がるほどで手は上げないが、怒りの方向が私に向かっている時などは、とてもたちうち出来ないから、謝ってしまった方が、心も身体もスッキリする。兎に角謝って、機嫌をとった方が良い事がわかったのは、もう何十年も前で、そうやって、私の犠牲でこの家が成り立っていると思っても過言ではない。

その時のその震える程の時の状況といったら、とても書く事は出来ないから、音で表現する事とする。ガタガタ！！！、ドンドン、！！ピチャ　ピチャと何回も繰り返し、そこかしこの、戸、ふすま、ドア、等手当たり次第にあたり散らすのだ！

そういう状態は子供も良く知っていた、長男がまだ高校生の頃に、こんな事を言われ、何時の間に　こんなに大きく成長したのかと思った位である。「そういう性格を知っているのに、怒らせるような事を言うお母さんが悪いよ」と言うのだ。

昔、会社人だった頃、連れ合いの話で盛り上がった時の男性の言葉
「男って単純なんだよな、深く考えて行動するわけでないから、その時の状況で、怒ったり、悲しんだりと単純に感情を表す」と言うのだが、そうだろうか？夫もそうだろうか、そうならそれで良いのだが。その時はそう思った。

普段は温和でニコヤカ、さほど煩くなく、何事も私の自由にしてくれる。普通の生活が出来て身体もそれなりに丈夫、なにいう事がない夫だが、怒ると、機関銃のような怖さを感じる、でもその怒りの頂点が来た時の夫はまるで別人のようである。怒り方に特徴があって、時間が立つと怒りが薄れるのは普通人と思うが、彼のはちょっと違う、、時間が立つに連れて怒りが増すようで、その内食事も「食べたくない」と言い出す始末で、私が機嫌をとらない限り何時までも続き、２日や３日は続き続けるので、私も困り果ててしまい、どうしたものかと、、その内に何となく静まるのが何時ものパターンなのです。

そんな訳で、振り上げたコブシを下ろすタイミングを何時も私が作って差し上げているのである。なんと偉い嫁様とは思うが、そんな事を繰り返しながら、もう38年の同居生活をしている。若い時は半年に一回はそんなモヤモヤ争いを起こしていたが、最近60歳を過ぎると、なるべくそんな時間はない方が、快的な日常を過ごせると思う。私も少しは賢く、イヤ図太くなって、心では「そんなの、怖くないよ〜だ」なんて言ってるんですけど、なかなかその時の、トラウマから開放されない。

原因はいつも、夫がいやがる、言葉　なのだが、分かっていて、言う自分、どうしても止められない、のだろうかと自分の愚かさを反省しながら、さーて　さて　どうしたものか！！。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　２００４年５月２３日　　おばさん記